認知症になると家が売れない?
埼玉県三郷市で司法書士をしている、ゆうき司法書士事務所の中里です。
将来は、今住んでいる家を売って介護施設の入所費用や家族の生活費に充てたいと思っている方、注意が必要です。
家の所有者が認知症等になって判断能力を失うと家が売れなくなります。『家族なら代わりに売ってあげられるのではないの?』と思うかもしれませんが、現実には間に入る不動産業者に『無理です。』と言われます。判断能力のない者が行った契約は無効だからです(民法3条の2)
将来無効を主張されるような家の売買仲介はどこもやらないでしょう。
そこで、認知症等になった者の代理人として『成年後見人』を裁判所に選任してもらい、その成年後見人に家を売ってもらうことができます。
しかし、ハードルはまだまだありそうです。
成年後見人が代わりに家を売るには、家庭裁判所の許可が必要です。買主を見つけて価格を決定し裁判所に売っていいかどうかの許可を求めるのです。こんな面倒な家を誰が買うのでしょう?
相当安くしないと買ってくれそうもありません。現実には不動産買取業者に安く買いたたかれておしまいです。
また、家の所有者である者が流動性資産(預貯金など)があった場合、そちらを先に使うように言われて、家の売却許可が中々下りないこともあります。そうしているうちに空家になった家はどんどん古くなり、資産価値が大幅に下がってくるでしょう。
以上のように、何も対策せずに所有者が認知症になって判断能力を失うと、成年後見人を付けても家の売却は非常に困難になります。
早めに、対策をしておきましょう。
相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。